視覚障害と発達障害(高次脳機能障害)

視力の問題を抱えていると、高次脳機能障害を疑いたくなることがある。

高次脳機能障害とは:
病気や事故などのさまざまな原因で脳が部分的に損傷されたために、言語・思考・記憶・行為・学習・注意などの知的な機能に障害が起こった状態を指す。
注意力や集中力の低下、比較的古い記憶は保たれているのに新しいことが覚えられない、感情や行動の抑制がきかなくなるなどの精神・心理的症状が出現し、周囲の状況に合った適切な行動が選べなくなり、生活に支障をきたすようになる。(東京都医師会)

上記は、私の日常そのものである。

発達障害という言葉を知ったのは35歳をすぎた頃だった。
当時は高機能自閉症だのアスペルガー症候群だの、ディスレクシアやLD、ADHDという言葉すら、一般には馴染みがないものだった。

40歳の頃、あまりにもひどくて真剣に悩み、「フリーズする脳」の著者である 築山 節 先生のもとを訪ねたことがある。
そのときに出された結論は「異常はありません。規則正しい生活を心がけましょう」だった。

フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書) 築山 節 (著)

たしかに当時は多忙で疲弊していて、正常な機能を果たせる状態の体ではなかったと思う。
しかし、あれから10年。仕事も生活環境も変り、「忙しすぎる毎日」「単調すぎる毎日」から逃れたにも関わらず、私の脳は相変わらず困り者のままなのだ。

自分自身を長期にわたって観察し続けてきたが、視機能の不具合が「剥き出しの脳」と言われる目の「現況」であり、脳の不具合の「元凶」なのではないか、と私は考える。

「モノがひとつに見えていない」
「ズーム機能が満足に働いていない」
「片側の目だけを使っている」

視力障害が、日常生活に及ぼすのは「見えづらくて困る」ということだけではない、と我が身をもって証明したい。
私自身の視力障害が克服できたときに、高次脳機能の状態が良好に改善していれば、それが答えになると確信している。