母の失明の真因

母が70歳に近づいた頃、目の見えが悪いから病院に付き添って欲しい、と頼まれた。
順天堂大学病院で診てもらったところ、診断は白内障であった。

その日、もうひとつ聞きなれない病名を言われた。
網膜色素変性症ですね、と。

網膜色素変性症は視野欠損が進む病気で、進行すると視野が失われ、最後は失明に至り、全盲になる。
難病に指定されていて、治療方法が確立していない。

この病気と白内障は、併発しやすいと言われている。
そして、白内障手術のための入院時に明らかになったのが、糖尿病の疑いであった。

当時は知識が無くて、それが何を意味するのかわからなかったが、今ならわかる。
要するに、食生活を間違えていたのだ。

老眼や白内障の多くは、長年の食生活の間違いにて発症する。
でんぷん、砂糖、たんぱく質の摂取過多によるところが、非常に大きい。

目は肝臓の窓、というほど、肝臓と関わりが深い。
すなわち、肝臓に負担がかかる食事は、目に悪影響をおよぼしてしまう。

母は、うどんやそうめんがなど、小麦製品が好きだった。
酒とタバコはやらなかったが、甘いものは大好きで、年がら年中食べていた。

70歳を過ぎた頃、母は光を失った。明るい暗いの判断もつかない、闇の全盲。
網膜色素変性症で失明したのか、糖尿病網膜症で失明したのか、定かではない。

私は、どちらもだったと思っている。そして失明の真因は、「間違った食生活」。
健康には気をつけているつもりで、好きなものしか食べていなかったのだから。